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在日特権はネット上のデマ

「在日特権」とは?

出展:在日特権を許さない市民の会による作成ビラ

ネットや何かで「在日特権」という言葉を目にしたり耳にしたりしたことがあるという人は決して少なくないと思います。

在日特権って何?
在日特権なんて本当にあるの?
在日特権なんてないでしょ!・・・など、

当コンテンツに辿りついた方には色々な疑問を持つ方がいらっしゃると思います。

実は、「在日特権」はネット上で広がったデマ。まったくのデタラメなのです!

当コンテンツでは、「在日特権」がいかに根拠のないデマであるかについて徹底解説していきます!

在日特権を許さない市民の会について

在日特権はネットが広がったデマです。

その在日特権が実際に存在するとし、これをなくせという主張をしているのが「在日特権を許さない市民の会」通称、「在特会」です。

同会HPによると、在日特権は次のようなものを指します。

  1. 特別永住資格
  2. 通称名の使用
  3. 年金・生活保護

特別永住資格について

特別永住資格が特権ではないということを正しく理解するには、特別永住資格が認められるようになった経緯について知る必要があるでしょう。

特別永住資格は、韓国・朝鮮人であれば誰にでも与えられているように誤解されがちですが、そうではありません。

あくまで「旧植民地出身者」、つまり植民地時代に日本に渡日し、戦後も継続して日本に居住している人たちとその子孫が対象です。

戦前から日本に居住する在日の人たちは、歴史的にみれば直接的、または間接的に植民地支配の影響を受けて、渡日を余儀なくされた人たちです。

戦後、在日の子孫たちは日本で生まれ育ちました。当然ですが、多くの人は祖国の言葉はろくに話せず、日本に基盤を置いて暮らしていました。それにも関わらず3世以降の世代の在留資格はまだ宙に浮いた状態でした。

この状況を鑑みて日韓の両政府が話し合い、「日韓法的地位協定に基づく協議の結果に関する覚書」が交わされました。

これにより在日3世以降の在留資格が確立されることとなりました。そもそも在日の人たちは植民地支配時代には日本人とされ、敗戦後は一方的に日本国籍をはく奪され外国人とされたのです。

在日の人たちがおかれた歴史性と人権を考慮すれば、与えられて当然の権利といえるでしょう。

通称名の使用について

通称名

通称名が在日特権だという主張に多いのが、「通称名を使うと便利」「犯罪を犯しても通称名の変更によって犯罪歴を消せる」といったものです。

これは全くの事実無根の主張です。通称名はそんな簡単に変更できませんし、犯罪歴を消すこともできません。ではなぜ通称名を使ってるの?とどこからか聞こえてきそうですね。

たしかに多くの在日の人が通称名を使用しています。ですが通称名を使うことによってメリットがあるわけではありません。

正しくは本名を名乗ることによって不利益を被ることが多く、仕方なく通称名を名乗っているのです。

そもそも通称名の起源は日本の植民地時代にまで遡ります。

当時日本の植民地政策として、「創氏改名」を実施し、朝鮮半島や日本に居住する朝鮮人に対し、日本式の氏名を名乗らせました。

その後日本の敗戦により、在日の人たちは解放民族となります。これ以降日本名を強制されることもなくなったわけです。しかし残念ながら民族名を名乗ると、就職差別、結婚差別、入居差別など様々な差別にあう懸念があり、多くの人が継続的に通称名を使用するしかありませんでした。

在日の人たちが通称名を名乗るのは、日本の差別意識が起因しています。通称名によって在日特権が得られるわけではありません。仮に通称名を犯罪に利用できたとしても、犯罪は犯罪であり在日特権ではありません。

通称名は在日特権だというのは、日本の差別問題を在日特権というデマに転嫁し、さらにヘイトスピーチを行うという悪質な行為だといえるでしょう。

年金・生活保護について

年金、生活保護

在日特権としてよく出てくるのが年金・生活保護の問題です。

これまで年金を払っていないのに受給している者がいる。また生活保護については、在日であれば生活保護を優先的に受けられるといったものです。

まずこれを考える時に、かつては国民年金制度の加入に国籍条項があり、在日外国人には国民年金に加入することが認められていなかったという事実を直視しなければなりません。

当時国民年金に加入したくてもできなかった…。その後加入が認められますが、年齢的に所定の期間年金を納めることができない人たちがいました。制度の狭間にいた人たちは無年金のままとなったわけです。

このような制度の狭間にいた人に対する救済措置として、自治体独自に給付金を支給するなどしていた実例はあります。が、これは年金ではありません。
ですので年金を払っていないのに、受け取っている人がいるというのはデマです。

生活保護についても、独り身の在日のお年寄りなど、生活状況が厳しく生活保護に頼らなくてはならないことが多いのも事実です。
ただし、優先的に生活保護を受けられるなどということはありません。

日本の植民地支配の責任によって渡日を余儀なくされたのが在日の人たちです。その在日の人たちを、戦後も日本の福祉制度が排除してきた結果、このような状況が生まれてしまったわけです。

それを在日特権などと攻撃するのは、差別を差別で上塗りするようなものです。

その他

出展:在日特権を許さない市民の会による作成ビラ

これまで紹介した以外にも「働かず600万円貰って優雅に遊んで暮らせる」「税金は納めない」などとんでもないことが言われています。

もちろんこれもいうまでもなく事実無根のデマです。大体が、毎年1万人近い在日の方が「帰化」をされているそうですが、上記のような在日特権が存在するなら誰も「帰化」しませんよね。

もしこの手の話を信じ込み、SNSなで拡散すると、当然差別に加担したことになります。くれぐれもネットのデマに踊らされないように気をつけましょう。

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